工藤 佑太YUTA KUDO
デジタル・イノベーション室
大学院 情報理工学系研究科 | 2014年修了
※所属部署は取材当時のものです
MY CAREER
- 2019年
- デジタル・イノベーション室
丸紅へ入社する前はどのような研究をしていたのですか?
大学院では、電磁波や超音波を使ったデバイスの開発に従事していました。ハプティクスと呼ばれる分野で、触覚を擬似的に再現する技術。ロボットなどへの応用が進んでいます。卒業後は大手電機メーカーに就職し、その研究所で5年間、AIを応用した画像認識技術の研究開発に取り組んでいました。
丸紅に転職を決めた理由を教えて下さい
研究に一区切りがつき一定の成果が出たことで、新しいことにチャレンジしたいという気持ちが強くなったこと、そして培ってきた知見を、よりビジネスの現場に近いところで活かしたいと考えたからです。丸紅に入社を決めたのは、同じオフィス内に営業部がいて現場を身近に感じられること、そして、現在所属している「デジタル・イノベーション室」という名が示すように、新しいことにチャレンジする姿勢を強く感じたからです。

デジタル・イノベーション室の
ミッションを教えて下さい
「デジタル・イノベーション室」は、将来的に爆発的成長を見込める、新たな分野の開拓をデジタル面から支援するために2017年に設置された全社対応組織です。そこで私はデータサイエンティストとして、前職の研究所で培ってきた知見をフルに活かしています。データ解析から、有用な規則やルール、判断基準などを抽出し、ビジネスの現場の課題を解決したり、新たな価値を創造することを目指しています。

デジタル技術は商社ビジネスに
どのように活用できるのでしょうか?
たとえば、品質や生産性に影響を及ぼす工場設備のトラブルを事前に検知できたとしたら? これまで不可能だったことも、今では、センサーで設備の稼働状況のデータを蓄積し、それらを機械学習によって解析することで、トラブル発生のパターンを認識して未然に検出することが可能です。あるいは、海運市況の予測にも。丸紅は、海運市況に関わる膨大なデータを解析することで用船料予測に取り組み、一定レベルの精度で予測できるモデルを開発しました。このように、ビジネスのさまざまな局面における課題をデジタルで解決することで、社内の営業部を支援しています。

工藤さんが研究してきた画像認識技術も活かせるのですか?
そうですね。商社が輸入するさまざまな商品の一つに生鮮食品がありますが、その品質チェックはまだ人の力に頼っているという現状があります。膨大な人員コストがかかっていますし、100%の正確性も担保できないため、クレームが発生する可能性もあります。それらの課題を解決するために、AIによる画像認識を行い自動的にグレードを判別して品質を担保する、という取り組みを進めています。今後、さらに精度を高め、いち早く現場に導入したいと考えています。

丸紅という舞台で、
あなたが今後チャレンジしたいことは?
多種多様なデータが揃う丸紅はビジネスの種の宝庫。現在デジタル・イノベーション室には私も含め5名のデータサイエンティストがいますが、そもそもデータサイエンティストが商社のビジネスに取り組むということ自体、少し前までは考えられなかったことでしょう。将来的には技術者としてビジネスに有効なソフトウェアの開発にもチャレンジしていきたい。スマートシティのインフラのデータ設計にゼロから携わるというのも面白そうです。宝の山を前に、やってみたいことがまだまだたくさんあります。
After Work

学生時代は合気道のサークルに参加、バンドでキーボードを弾くこともありましたが、最近はもっぱら街歩き(特に都会の街が好き)が趣味。どういった人がどういった生活をしているのか。そうしたことを考えながら街の風景を眺めていると、新しい発想に結びつくことがあるんです。