INTERVIEW

Partnerとしてビジネスをサポートし、
Guardianとしてリスクを回避し、企業価値を守る。

吉野 将MASASHI YOSHINO

法務部
法学部 | 2013年卒 ※所属部署は取材当時のものです

MY CAREER

2013年
法務部 法務第三課
2015年
法務部 法務第一課
2017年
ミシガン大学ロースクールに留学
2018年
ニューヨーク州弁護士資格取得後、現地弁護士事務所で実務研修
2019
法務部 法務第二課、企画開発課を兼務

丸紅に入社を決めた理由は?

小学校の頃アメリカで暮らしていたこともあり、就職活動時はグローバルなフィールドがある企業に入りたいと考えていました。当時、東日本大震災の影響で注目が集まっていたエネルギーに関わる仕事に興味を抱いていたこと、大学の法学部で学んでいたこと、そういった背景もあり、自然と自分が重視する条件を満たす総合商社を志望するようになっていました。その中で丸紅を選んだのは、企業文化や風土が自分に合っていると感じたから。人財がバラエティに富んでいながら、会った社員の誰もが会社にとってのベストは何かを真剣に考えていることが伝わってきて、それが非常に印象的でした。

総合商社の法務部の仕事とは?

丸紅法務部の仕事はPartner とGuardianという言葉で表現されます。あるときは営業部のビジネス創出を法的側面から支援し、訴訟や紛争の際にはその解決に奔走する頼れるPartner。あるときは企業ガバナンスに目を光らせ企業価値を守り抜くGuardian。法務部はこの二つの側面を併せ持つ存在です。その中で私は、電力・エネルギー・金属グループを担当しています。

仕事において最も重要なことは?

商社のビジネスは、主にトレーディングと事業投資のアプローチの組み合わせからなりますが、どのビジネスにもさまざまなリスクが存在します。法務部の最も重要な仕事が、営業部が推進しようとする案件に関して、リーガル面からリスクを調査・分析し、助言を行うこと。契約交渉の場面に専門の弁護士とともに立ち会い、契約書の文言についても一言一句精査します。こうした中で各種リスクを法的に分析し、想定しうる損失や、リスクを回避する手段についても営業部に提案していきます。さらに事業を進める中でトラブルが発生した場合、紛争の解決にも当たります。紛争解決は初期対応が極めて重要で、紛争発生の報せが入るとすぐに営業部と協議を行い、関連契約をすべて用意して、相手の主張を細かく分析します。その上で当社も法的根拠に基づく主張を展開するのですが、ときには合意に至らず訴訟に発展するケースもあります。それら訴訟案件の対応や、訴訟弁護士との協議も我々の役割となります。

入社後、印象に残っているエピソードは?

入社3年目に担当した案件です。商品を12月中に販売する予定が年末で港が混雑し、悪天候も相まって積荷が期日までに間に合わないというトラブルが起こりました。買主は期日の遅れを理由に契約を解除、すべての損害を当社に請求すると主張しました。私は、まず関連契約書を細部にわたって確認。営業担当者にこれまでの交渉記録のすべてを集めるよう依頼し、専門弁護士にも相談して相手の主張に対する法的反論の準備を進めました。繊細かつ綿密な検討の結果、悪天候による輸送の遅れは不可抗力条項に該当すると主張し得ると判断。同時に、メール等のやりとりから、期日までの輸送を実現するために最大限努力していたことも証明できると判断しました。

そのとき吉野さんがとった戦術は?

係争金額が大きくなく、また当社の対応に非が無いことに鑑みて訴訟に進む可能性は低いと考え、相手方に強く反論する戦術をとりました。法的根拠を示しながら当社に非が無いことを主張し、逆に当社が被った損害について損害賠償請求を行う可能性もあることを通告したのです。結果、相手方はこちらの主張を全面的に受け入れ、生じた損害についても相手方が全額負担することで決着しました。金額こそ大きくなかったものの、営業部と文字通り二人三脚で問題に対処した数日間は、どの戦術をとるかをタイムリーに判断する、初期対応の重要性を骨身で感じた濃厚な日々でした。

丸紅という舞台で、
あなたが今後チャレンジしたいことは?

丸紅の良いところは、時代の流れに乗って、新しいものを取り入れる風土が根付いているところ。たとえば、全社の働き方についてもテレワーク制度を早くから導入していますし、法務部でもリーガルテックを駆使した業務効率化に向けた取り組み等、さまざまな試みを進めています。海外では最高法務責任者が法務に関する業務執行を統括している企業も多く、日本よりも法務の役割や重要性が理解されている現状があります。すぐに追いつくことは難しいかもしれませんが、丸紅の挑戦を後押しする風土を利用し、もっともっと戦略的に法を使ってビジネスに貢献していくことで、法務部のプレゼンスを高めていきたいと考えています。

After Work

2年目に患った腰痛への対策として始めたジム通いは、今でも続けています。業務後ですと残業や急な飲みの誘いがあって計画的に行けないので、朝ジムに行ってから出社しています。ロースクール留学中も、大学のジムで他学部の生徒と仲良くなれたことはいい思い出です。

© Marubeni Corporation All Rights Reserved.