Person

誰も歩いたことのない道を往く。
最適な解を求めて。
その先の新しい世界が開ける。

総合職
菱田 麻実
丸紅欧州会社パリ支店
取材時:環境・産業機械部 排出権ビジネス課

「環境」を仕事にしたいと思ったとき、
総合商社にワクワクしている自分がいた。

私が大学で専攻したのが環境工学でした。理系のフィールドで何を研究するのか。自分が「変えたいもの」「解決したいもの」は何なのか。それが地球温暖化をはじめとした環境問題だったからです。就職に際しても「環境」をキーワードに、特に二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出権に関わる仕事に就きたいと考えました。総合商社に惹かれたのは、話を聞くにつれ、なぜかワクワクしている自分がいて、そのワクワクに賭けてみようと思ったのが率直なところです。丸紅への入社は、他の総合商社に比べて、排出権分野における取り組みに秀でていたことが決め手になりました。そして、入社3年目、ついに排出権関連の仕事に関わることになったのです。

地球温暖化は人類にとって喫緊の課題であることは言うまでもありません。地球温暖化の要因となっているのが二酸化炭素などの温室効果ガス。排出権とは、世界各国や各企業に対してそれぞれの産業状況や経済状況に合わせ、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出枠(キャップ)を容認する権利のこと。話は1997年に採択された「京都議定書」まで遡ります。この取り決めで、日本のような先進国に対し2008年~2012年の間に温室効果ガス排出量の平均値を1990年に比べて削減することを義務付けました。そして、その達成のために生まれたのが排出権の取引です。排出権取引とは、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業の間での排出権の取引のこと。こうしたフィールドの中で私が実際に関わったのが「二国間クレジット制度」でした。

「二国間クレジット制度」の設計、フィージビリティスタディの実施、
そして、政府間の合意形成に関わった。


京都議定書の第一約束期間は2012年で終了。COP(気候変動枠組条約国会議)18で京都議定書の第二約束期間(2013~2020年)が決定しましたが、日本は第二約束期間では削減目標を持たないことを表明するとともに自主削減目標を打ち出しました。目標達成には日本独自の枠組みが求められます。それが「二国間クレジット制度」です。この制度は、主に開発途上国へ温室効果ガス削減の技術や製品、サービスなどの普及を通じ、実現した温室効果ガス削減への日本の貢献を定量的に評価、日本の削減目標達成に活用するというもの。私たちは制度設計にあたって日本政府に提案や、案件組成のためのフィージビリティスタディ(実現可能性の事前調査)を実施しました。制度は官民協力して協議、検討してこそ良い制度となります。私は民間の制度設計の一員として、ドーハで開かれたCOP18、ワルシャワで開かれたCOP19にも参加、気候変動関連の情報収集を進めました。フィージビリティスタディを実施する中で、相手国政府のキーパーソンにこの制度の意義を何度となく説明し、その結果、私の担当案件の2カ国がフィージビリティスタディ実施期間中に日本政府との二国間クレジット制度の実施合意に向けた交渉を開始することとなりました。私の働きかけが両国の未来をつなぐ糸口となった、そのことが何よりも嬉しく誇らしかったです。

私は2年間、二国間クレジット制度に関わってきましたが、それによって大きな収益を生み出したわけではありません。この制度が広く活用されるようになったときに初めて、当社の持つ機能を提供してビジネスが成立することになります。今はそのための下地作り。社内でも誰も経験したことのない新しいビジネスに触れたことは、私にとって非常に貴重な経験でした。

原油増産&CO2削減プロジェクト、
前例も正解もないビジネスを前進させる。

エネルギー・化学プラント部は、その名が示すように、世界の石油・ガス、化学のプラントに関わるプロジェクトを推進しています。その中で私は、新興国におけるエネルギーの有効利用につながる案件の開発や、原油・ガスに関わるミッドストリームの資産保有、保守運営などを担当しています。そして、誰も経験したことのない新しいビジネス。インドネシアにおける原油増産プロジェクトにも取り組んでいます。

油田は年月を経るに従い、原油を押し出す力を失い自噴量が落ち、生産量が下がります。そこで油田の生産量を増やすために油田にCO2を送り込み、その圧力で原油を増産するとともにCO2の削減を実現しようというのがこのプロジェクト。スケールが大きく、またその地域の人々の根幹となるインフラに関わる仕事であることに、大きなやりがいを感じています。二国間クレジット制度に取り組んだとき同様に、前例も正解もない中で、最適な解を見出していく難しさはありますが、先が見えないからこそ、ワクワクできる。将来、地球温暖化防止や環境負荷低減に寄与するような、新しいビジネスを自分の手で創り上げたい。それこそが私の今の目標です。
※内容は取材当時(環境・産業機械部 排出権ビジネス課)

My Roots

“なりたい自分”がいた。一歩前へ足を踏み出したい―。

高校時代の交換留学の経験が私のターニングポイントとなりました。初めての海外。自分を主張し、思いのままに行動する同級生たちに驚きの連続でした。引っ込み思案な自分を変えたい。それからです。自分の考えや気持ちを臆せずに人に発信したい。一歩前へ踏み出したい。“なりたい自分”に少しでも近づきたいと体育祭やストリートダンスサークルに積極的に参加するようになり、周囲の声を自信につなげた。なりたい自分がいる。それが私の力の源泉です。

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