Person

アジアのモータリゼーションの
覇者への道を駆け抜ける

総合職
成山 遼
B-Quik
ライフスタイル本部 ゴム部

「26歳・若造」を信頼してもらう、それが仕事のはじまりだった

遙かタイというフィールドで、アジアのモータリゼーションに挑む一人の若い男がいる。カーメンテナンスのサービスでタイ国内圧倒的ナンバーワンを誇るB-Quik社に出向し、統括管理を一手に担う成山遼だ。「売上も利益も大きく、ずっと成長を続けている企業。プレッシャーは常に感じています」と語る成山は、古参でも中堅社員でもない。26歳、入社3年目にして異国へ、さらに日本人は自分ひとりという環境に立たされた。
辞令のままにタイへ降り立ってみれば、迎えてくれた従業員は全員がタイ人で、外国人はオランダ人のCEOだけ。しかも管理側の自分が、従業員の多くから見れば「とんでもなく若い」事実を突きつけられ、改めて身震いした。

「前任は、全て40代から50代でした。いわゆる『若造』が突然現れて、株主だからと横柄な態度を取っては信頼を得られません。彼らと仲間になるにはどうしたらよいか。それは大きな問題でした」
しかしその不安は、仕事をするなかで払拭されていくことになる。スタッフと2人きりで残業になったとき、重い身の上話を聞かされる。一緒に出張へ出かけたときに、会社にかける熱意や将来への不安を打ち明けられる。そんなことが、徐々に増えてきた。従業員が少しずつプライベートを語ってくれるようになったのだ。

「自分は彼らから見ればまだまだ駆け出し。下手なアドバイスなどしません」
通常なら管理者という立場上、何か助言しなければならないのではと焦ってしまう場面だ。しかし成山はそれをしない。自らが決めた立ち位置を確立しようとする、強い意思が感じられる。
成山は、ときには自らの弱さをも見せる。日常のささやかな悩みをスタッフに打ち明ければ、そこは仏教の国。ブッダの教えに則って、気持ちの落ち着け方を教えてくれるという。

しかし「まだまだ甘ちゃんな私の悩みなど、彼らにとってはささいなことでしょうが」と、成山はここでも自分のポジションを忘れない。丸紅の人間と子会社の人間という関係でも、日本人とタイ人という関係でもなく、社会経験豊富な大人たちと26歳の自分という関係性を保っている。真に人間同士の信頼関係を築こうと努めているのだ。



小売網を世界へ広げるために、これからも疾走する

今では経営陣から経営哲学や経験上のスキルを惜しみなく与えられ、スタッフからも必要な情報を適宜渡してもらえる。「丸紅からの出向者」である以上に、「成山遼」という一人の人間として信頼してもらえている手ごたえがあるという。
ここに、丸紅の流儀の一つである「個の強さ」が体現されているといえよう。いわば単身で荒波へ投げ込まれた成山は、冷静に自分の立ち位置を見つめ、自らのための新しいフィールドを創り上げた。それは成山自身の対人スキルやバランス感覚あっての賜物だろう。
また、信頼関係が築かれたことで、成山本人が得るものも大きい。

「B-QuikのCEOの経営哲学は唸らされることばかりです。人のモチベーションを高める仕組み作りは非常に勉強になる。私もここでさらにマネジメントを学び、将来的にはカーメンテナンスを丸紅傘下の小売網として全世界に広げていきたいと考えています」
B-Quik社は、バンコクにおけるブランド認知度100%。会社帰りにユニフォームのまま買い物をしていると知らない人から「B-Quikだ!」と呼び止められるなど、成山も現地の期待感を肌で感じ、それがやりがいにつながってもいる。

「タイでは、どこでクルマが壊れても、B-Quikですぐに修理できます。現地の生活を支える大きな役割を担っていると感じます」B-Quik社は、2020年までに200店舗の達成を目指す。やりがいと目標を糧に、どこまで闘えるか。バランス感覚あふれる成山個人の力が最大限に発揮される日は、おそらくそう遠くない。

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