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許斐 理恵

RIE KONOMI

ライフスタイル本部
ブランドマーケティング部
社会学部 | 1998年卒

40代
女性
生活産業グループ
総合職

子ども靴といえば、もちろんIFME!
圧倒的に支持されるブランドを目指して。

誕生から20年
IFMEブランドの新しい挑戦

IFME(イフミー)―丸紅フットウェア社が製造・販売するこの子ども靴ブランドは、2000年のデビュー以来、多くの消費者の支持を獲得。現在では年間約200万足を売り上げ、1歳から7歳までの子どものカジュアルシューズ市場でトップクラスのシェアを誇る。丸紅フットウェアに兼務で出向し、そのブランドマーケティングを手掛けるのが、許斐理恵だ。
「総合商社のビジネスは商流の川上から川中が主流。でも、自社ブランドであるIFMEは、商品の企画・開発・製造から、消費者に近いところまで、つまり川上から川下まですべてを自分たちでコントロールするビジネス。総合商社としては珍しい取り組みです。さらに進化させ、消費者と直接つながる新たな取り組みを進めています」
時には店頭に立ち、消費者である親や子どもたちと会話して分かったことは、足のサイズに合っていない靴を履いている子どもが少なくないという事実だった。
「IFMEが大切にしているブランドコンセプトは、『子どもたちの足を健やかに育む』こと。大学のスポーツドクターとの産学協同で研究・開発しているIFMEは、さまざまな健康機能を備えています。でも、足サイズに合った靴が選ばれなければ、それらの機能は発揮されません。子どもたちにジャストサイズの靴を届けること。それが私たちの使命だと考えました。幼い子どもは自分で靴のサイズが合っていないとは言えないですから(笑)」
どうすれば、日々成長する子どもの足サイズを把握できるのか。重要なポイントは、容易に計測でき、かつ正確であること。そこで許斐たちが着目したのが、誰でも持っているスマートフォンと、そこに搭載できるアプリだった。
「当時、すでに足計測アプリは他社からもリリースされていたのですが、どれも計測精度が低かった。信頼に値する高い計測精度を出せるアプリを作ればチャンスがあると思いました。消費者向けのアプリ開発という、総合商社らしくない取り組み自体も面白い。検討・試行錯誤を重ね、親が手軽に子どもの足のサイズを計測できる無料のアプリを2019年10月にリリースしたのです」
努力の成果が実を結び、アプリのダウンロード数は順調に推移している。

消費者とつながる
「直営店」出店の狙い

少子化や靴メーカーとの競合。そんな背景もあり、許斐たちはさらなる新しい挑戦を始めている。アプリ開発に続いて打ち出した企画は「直営店舗」の出店だった。
「直営店舗ではIFMEのすべての靴をディスプレイし、IFMEの世界観を消費者にリアルに伝えていきます。さらに消費者の声を直接拾うことができれば、新たな商品開発や実験的な試みに活かせると考えています」
デビューから20年。しかしまだIFMEの名前を知らない人も多い。知名度を上げるためにも、直営店舗をマーケティング機能も併せ持った戦略的拠点と位置づけ、2020年春のオープンに向けて着々と準備を進めている。
「IFMEは、丸紅の中期経営戦略にも示されているPrime、すなわち主体的かつ主導権を持って事業戦略を実行するビジネスです。日本の子どもたちが、幼少期に必ず「アンパンマン」を通過するように、「子ども靴といえば、もちろんIFME!」というブランドポジションを確立できたら、という大きな夢を持ち、着任以来、新しいことに取り組んできました。今後、さらに消費者とつながる取り組みを加速させることで、ブランド価値の向上に寄与していきたいと考えています」