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小島 悠揮

YUKI KOJIMA

次世代コーポレート
ディベロップメント本部
新事業開発部
大学院 工学系研究科 | 2010年修了

30代
男性
CDIO
総合職

「eスポーツ」に見る、
未来のビジネスモデル。

丸紅×エンタメビジネス
狙いは、ジェネレーションZ

2019年4月、丸紅は総勢約100名の陣容からなる次世代事業開発本部を立ち上げた。これまで十分に取り込めていない成長領域において、新たなビジネスモデルの創出にチャレンジする本部であり、その中の一つに、小島悠揮が所属する新事業開発部がある。
「ターゲットは現状丸紅が取り込めていないWhite Spaceと呼ばれる領域。この領域で私が担当しているのがエンターテインメントビジネス(以下、エンタメビジネス)分野です。中でもeスポーツ※1関連ビジネスを進めています」
海外の大規模な大会では、1万人を超える観客が会場を埋め尽くし、選手の一挙手一投足に熱狂するほどの盛り上がりを見せているeスポーツ。だが、総合商社がeスポーツにどう関わるのかはイメージしにくい。
「私たちがeスポーツに着目したのは、 ジェネレーションZ※2と呼ばれる若い世代の動向に世界中が注目していることがあります。この世代は、将来あらゆる分野において中心購買層となります。彼らは、デジタルネイティブで、テレビを見ない、クルマや時計などのブランドに価値を見出さないなど、今までに無い新しい行動特性や価値観を持っています。これら新たな世代にどのようにリーチできるかを多くの企業が模索していて、それは丸紅も同様なのです」
つまり、丸紅はジェネレーションZのトレンドの一つであるeスポーツを通じて彼らの行動特性や価値観を知り、将来の需要を先取りしたいと考えているのだ。

※1 Electronic Sportsの略で、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称
※2 1990年代後半から2000年代の初め頃に生まれた若年世代を指すことが多い

総合商社が消費者の前面に立つ
これまでにない挑戦だから面白い

では、具体的にeスポーツにどのようなアプローチをしているのだろうか。
「取り組みの一つに、eスポーツに集うジェネレーションZの行動特性等のデータを分析・解析する米国企業への資本参加があります。まさにWhite Spaceなので、実績を積み上げながら知見を増やし、丸紅がどのような機能を提供していくべきなのか日々模索しています」
日本ではeスポーツ市場はまだまだ小さく認知度も低い。eスポーツ市場を日本に根付かせビジネスとして成立させること。それも小島たちの重要なミッションだ。
「現在、ゲームメーカーとの議論やマーケットデータ等の分析を通じて、新たなビジネス開発に向けた検討を進めています。eスポーツ大会の開催や運営なども視野に入れています」
従来の総合商社のビジネスはBtoBが中心であり、消費者の前面に立った事業は決して多くない。
「eスポーツは、一般の消費者に向けた、熱狂を生むビジネスです。総合商社×エンタメビジネスという前例の無い組み合わせでまだ見ぬ世界を創り出す、それが自分たちにかかっていると思うとワクワクします」