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馬場 壮気

SOKI BABA

金属本部
丸紅欧州会社
法学部 | 2005年卒

30代
男性
素材産業グループ
総合職

欧州市場にアルミボトル缶が並ぶ。
丸紅がつくるその景色。

ご自身の担当業務について

ロンドンにて金属に関連するビジネスの新規開拓を担っています。今後の需要増が見込める金属や鉱物に関するビジネスへのアプローチはもちろん、サステナビリティやリサイクル、EVといったキーワードに係る技術を持った企業の探索なども行っています。その中でも私が最近特に注力しているのは、日本では良く見かけるボトル型アルミ缶の欧州向け輸出です。実は、アルミボトル缶は日本で開発されており、まだまだアジアの一部や米国で販売されている程度。通常のアルミ缶やPETボトルに比べると高額なコストがネックとなり、これまでは採用が見送られるケースが多かったのですが、欧州では昨今CO2削減やサステナビリティといったキーワードに大きな注目が集まっています。こうした社会課題を背景に、脱プラスチックの一環としてPETボトルからの代替容器需要を狙い、日本メーカーのアルミボトルを欧州の各飲料ブランドに広めるべく営業活動をしています。入社以来金属関連業務一筋の私でしたが、最近は社内の食料ユニット、欧州会社傘下地域店のスタッフの力を借りて各飲料ブランドの担当者と容器デザインやマーケティングについて面談を重ねる仕事も増え、非常に新鮮です。この先、欧州のスーパーにアルミボトル缶が並んでいる景色をみることができると思いますが、それは丸紅の仕事です。

これまでのキャリアにおける
ターニングポイントは?

入社4年目でベネズエラに駐在する機会を得たことです。当時は、金融危機後の不景気真っ只中で、前任者から引き継いだのは南米各国にある不良債権の回収。ベネズエラ、エクアドル、コロンビア、パナマ、ドミニカ、メキシコ、プエルトリコ…、数えきれないほど出張を繰り返し、何とか一部でも当社債権を回収できるように尽力しました。しかし、回収できた債権もあったものの、結果的には努力の甲斐も空しくベネズエラ現地会社の金属ユニットは閉鎖されることに。当時のスタッフ3名に解雇を言い渡したのは本当に辛い経験でした。スタッフの1人から「貴方は若いのによく頑張ってくれた。もう何年も前からベネズエラは仕事をするのに大変な環境で、いつかはこうなるのは予想できていたから気にしないで」と言われ、号泣したのを今でも覚えています。この経験を機に、商売は絶対に儲けなければいけない、と心に強く誓いました。

仕事におけるポリシーや
大事にしていることは?

事業が成功したときの景色を想像することです。今の私の仕事では、新しい鉱物、技術、商品をプロモートする起業家と出会う機会が多いのですが、彼らの発想の中には周囲から懐疑的に見られがちなものも多々あります。そこで可能性の扉を閉じてしまうのは簡単ですが、もし彼らのアイデアが実現できたら世の中や丸紅はどう変わるんだろう?と前向きに想像してみます。その景色が違和感なく想像できれば、偏見なく取り組んでいきたいなと思っています。

プライベートはどのように
過ごされていますか?

ロンドン駐在を機に始めた料理です。最初は手際も出来も悪かったものの、努力を継続すれば変わっていくもので、今ではレパートリーも増えて手際も味も良くなってきました。まず目標を立て、そこから何が必要でどのような準備をすればよいか逆算し、さらに片付けや残り物を次の日にどう使うかまで意識をしながら、商社パーソンならではの視野の広さで料理をこなしています(笑)。子供は正直ですから、残さずに全部食べてくれたときは本当に良い気分で1日を終えられますね。今日はキノコのペンネグラタンと野菜スープを作りました。勿論完食でしたよ。