米国、ブラジルで
展開するアグリ事業
食料・農業分野
世界人口とともに増加する食料需要。丸紅は米国Helena社を中心に農業資材販売の競争力強化を目指し、ブラジルAdubos Real社の買収によって南米事業を拡大。農業専門家の知見と独自技術を駆使し、世界の農業生産性向上と食料安定供給に貢献する。

Helena社で培ったノウハウを活かし、世界各国の農業生産者に
トータルソリューションプロバイダーとして付加価値を提供する
課題点
Challenge
- 人口増と食料需要の増加に伴う、持続的な農業生産性向上の必要性
- 国や作物の栽培環境の違いに伴う、農家の多様な課題
- ブラジルでの急速なリテール事業拡大に伴う、現地運営体制の構築支援と迅速な戦略遂行のための社内決裁取得やファイナンスサポート
- 競合他社や業界の変化に後れを取らない意思決定を行うための、現地事業会社と株主である丸紅間の関係および体制構築
ソリューション
Solution
- Helena社をはじめとする海外農業資材リテーラーを保有し、グローバルに農業資材事業の拡大を推進
- 継続的な拠点ネットワークの拡大と生産者の多様なニーズを深く把握することによる高い競争優位性の確保
- 顧客起点の機能性の高い商品・サービス開発と顧客である農業生産者一人ひとりに寄り添ったコンサルティング営業による販売
- Helena社の独自商品とサービスによるソリューションの差別化
- 事業会社との長年にわたる良好な関係から培ったガバナンス体制の構築と、他事業会社に広がるネットワークの活用
プロジェクトの進捗・今後の展望
Project Progress
and Future Outlook
アグリビジネス市場の最先端・米国において、業界第2位の確固たる地位を築くHelena社の技術・知見を広く各国に展開していき、既存事業会社を核として、より大きく質の高い丸紅アグリ事業を目指す。
そして、世界中の農家を農業資材の面から支え、収益向上・生産性向上に貢献することで、「世界の食」を支え、食料不足などの「食」を巡る課題を解決する。そのような未来の実現のために、丸紅は農家だけではできないことを、世界各国の事業会社とともに「みんなでやろう」と考えている。


食料・アグリ部門 アグリインプット事業部
2019年入社 法学部卒
天野 太一
「仲間と同じ視線で農業と
農家の課題解決に挑む」
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Q1.担当業務・仕事のやりがいや面白さ
現在は、Helena社とAdubos Real社の経営支援業務を担当しています。Adubos Real社は、ブラジルで農業資材の販売を手がける企業であり、「第二のHelena」をともに目指す仲間を増やしたいという丸紅の想いと、共感してくれたブラジル現地事業会社の協力のもと、2019年に丸紅の出資が実現しました。私は主に、Adubos Real社の経営戦略に沿った買収戦略の推進や、差別化戦略の実施に向けた丸紅社内の合意形成、資金調達・管理を担っています。
業務におけるやりがいは主に2点あり、1点目は経営にまつわる課題全般(戦略策定、資本施策、予実分析、買収戦略など)にかかわることで、経営の全体感や感度を養える点です。2点目は、我々の事業の本質である「農家の価値向上」に本気で取り組むブラジルの仲間に対して、丸紅の意見や考えを押し付けるわけではなく、同じ目線で必要な経営支援を行える点です。 -
Q2.プロジェクトの課題
Adubos Real社の事業成長における課題は、急速な事業拡大に伴う人財育成やオペレーション整備、東京本社との情報連携です。特に情報連携の観点では、顧客である農家、現場の事業会社の社員や駐在員、東京本社との認識や考え方、情報量にギャップがあります。したがって、、本質である「現場でいかに農家に価値を提供するか」という視点から逸れないコミュニケーションを取る必要がありました。視線が違うからこそ、株主である丸紅との利害関係の調整や現地事業会社と丸紅のどちらもが納得できるガバナンスの整備なども難しい点でした。
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Q3.丸紅ならではのソリューション
営業部においては、Helena社から学んだ農業資材業界における企業のガバナンス体制を、駐在員および私の所属するリテール事業課が丸紅社内の専門部隊(法務や財務など)の知恵も借りつつ導入のサポートをし、成長期にあるAdubos Real社の強固な運営体制を構築しています。
また事業開発においては、我々が丸紅社内の専門部隊との橋渡しになり、急成長する事業会社に即した迅速な意思決定を後押しできるよう支援しています。
丸紅は、Helena社をはじめとする海外の農業資材リテーラーや、肥料・農薬の製造販売事業会社とともにグローバルな事業拡大を進めています。この戦略が目指す先は、農業の生産性や収益性の向上、食料供給の安定化、ひいては「食」に関する問題の解決です。 -
Q4.丸紅で働く魅力
丸紅で働く魅力は、専門性がなくとも新たな経験を積ませてもらえ、世界のグループの仲間のために働くことができる点です。私は2023年に、穀物トレード事業を行う米国企業から帰任した後、Helena社にかかわることになりました。若手の私にも米国での現場・事業開発にチャレンジする機会をいただき、そこで学んだ事業会社が培ってきた知見・ノウハウをグローバルに展開することで、社会課題である食料問題の解決に向け日々励んでいます。
丸紅として現在は、各事業会社の差別化・拡大のためにHelena社の知見とAdubos Real社の市場拡大に注力しています。また、新たな丸紅グループの仲間を見つけるべく業務にも取り組んでおり、将来的には既存事業会社を核としてより大きく、質の高い丸紅アグリ事業を部として目指しております。

食料・アグリ部門
Helena Agri-Enterprises, LLC(米国)出向
2018年入社 理学部化学科卒
中山 恭輔
「農業資材事業の最前線で挑むやりがい」
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Q1.担当業務・仕事のやりがいや面白さ
現在、米国のHelena社へ出向し、自社独自商品(肥料、農薬、添加剤など)の開発・マーケティングを行う「Helena Products Group」という部署で海外営業を担当しています。Helena社が「米国の農業生産者に対するトータルソリューションプロバイダー」として長年培ってきた、リテールビジネスのノウハウと独自技術を現場で学びながら、その知見を活用し、ブラジルのAdubos Real社をはじめとする丸紅グループ内事業会社の成長支援に主に従事しています。
米国やブラジルといった農業大国でのビジネス環境を肌で感じられることに加え、Helena社やAdubos Real社に在籍する農業資材のプロフェッショナルたちと日々かかわりながら仕事をすることで多くの刺激を受けています。そういった環境で自分自身も高い視座を持つことを意識し業務に取り組み、着実に成長を実感できることにやりがいを感じています。 -
Q2.プロジェクトの課題
世界人口の増加によって食料需要が増加すると同時に、限られた土地や資源を活用した持続可能な農業の発展を可能にする新たな技術が求められていますが、国や地域ごとに異なる農家の多種多様なニーズを理解することがビジネスの推進には欠かせません。
現場の関係者と連携して業務を推進するにあたり、業界人としての専門性や、文化・使用言語が異なる環境でのコミュニケーションの精度を高めることが、難しい点になります。出向先のHelena社に多数在籍する専門家、そして支援先のAdubos Real社の現場のプロたちとは“共通の言語”で対話することを常に心がけています。“何を語るか”を最も重視していますが、会社の援助を受ける形で英語に加えてポルトガル語もスキルとして習得しました。専門性の差であったり、文化や言語の壁を乗り越え、彼らと信頼関係を築き、協力を得ながらミッションに取り組んでいます。 -
Q3.丸紅ならではのソリューション
丸紅のアグリインプット事業におけるミッションは、農業の生産性と農家の収益性を高め、世界の持続可能な農業の発展に貢献することです。
農業生産者のニーズや農業資材業界の技術が絶えず変化するなか、米国市場での競争に勝ち抜くために「People…Products…Knowledge…」というコーポレートポリシーのもとで進化し続けるHelena社の成長の軌跡に触れ、その成長の根幹にある有形無形の財産を丸紅として他市場で活用していきたいと考えています。Helena社をはじめとした世界各国の事業会社と農家をつなぐハブとなり、「農業生産者に対するトータルソリューションプロバイダー」となることを今後も目指していきます。 -
Q4.丸紅で働く魅力
丸紅で働く魅力は、グローバルかつ社会的影響力の大きなビジネスに携わる機会を得られることです。また、20代のうちに海外駐在・事業会社出向のチャンスを掴めたことも、若手の挑戦を後押しする丸紅の魅力の一つだと感じます。
私は2018年の入社後、東京本社でHelena社の独自商品を主とした農業資材のアジア地域におけるマーケティング・セールス業務に携わった後、現在はHelena社に出向しブラジルを中心とした米州における農業資材ビジネスに従事しています。
出向先のHelena社は、アグリビジネスのトップランナーとして、業界全体を先導する力を持つ企業です。今後も、Helena社の経験・ノウハウを活用し広く展開することが、丸紅のグローバルかつ競争力のある農業資材事業の拡大を推進、そして、農業生産性の向上や「世界の食」を支えることに繫がっていくと考えています。