航空アセットで、世界に挑む
航空・宇宙分野
コロナ禍を経て航空需要が回復するなか、丸紅は航空機アフターマーケット・アセットトレード事業を拡大。航空機の部品販売や整備、解体などを通して機体の価値を最大化させている。新造機の納入数減少を背景に著しく成長するこの市場に、国内では他社に先駆けて参入。現在、航空機の資産価値最大化のため、戦略的なビジネスプラットフォームの構築を進めている。

航空機の資産価値を向上させる
アフターマーケット・アセットトレード世界市場に挑む。
課題点
Challenge
- 特定の空港に役目を終えた機体が放置される「飛行機の墓場」問題
- 地政学的・経済的変動による影響を受けやすい事業環境
- コロナ禍における航空需要の激減により市場が一時停止状態に
- コロナ禍後の航空需要急増と業界構造の再編
- 出資先である海外中小企業におけるガバナンス強化の必要性
ソリューション
Solution
- 航空業界における長年の実績を背景としたネットワーク
- 中長期的な事業戦略を背景とした成長資金の供給
- 現地駐在員を介した情報収集および人脈の活用
- 過去案件のナレッジを活かしたガバナンス体制の構築
- グループ内の情報共有によるシナジーの創出
プロジェクトの進捗・今後の展望
Project Progress
and Future Outlook
日本における業界の先駆者としての知見とネットワークを活かし、新たな投資先や事業を検討し続けることで、コロナ禍の航空需要激減という危機を乗り越えた。航空需要が急増する現在、主力の事業会社であるMagellan Aviation Group社(以下、Magellan社)、及びDASI社を中心に、さらなる事業拡大に挑む。
今後は事業間シナジーの創出を通じた既存事業の磨き込み、及び周辺事業への拡大を進める。目指すのは、時代を先取りしたバリューアップトレーダーとしてのプラットフォームの拡張だ。


エアロスペース・モビリティ部門 航空宇宙部
2018年入社 教育学部卒
橋本 悠平
「ダイナミックかつ成長著しい環境で、事業投資の現場を学ぶ」
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Q1.担当業務・仕事のやりがいや面白さ
2025年の4月に今の部署に異動して、出資先であるアメリカの航空機用サープラス部品販売会社DASI社と投資家向けに航空機のエンジンなどを扱うアイ・ストリングス・アビエーション・キャピタル社(以下、アイ・ストリングス社)の経営支援を担当しています。両社とも取り扱う金額の規模が非常に大きく、数億~十億円規模のプロジェクトを担当していますので、責任の重さも実感しています。中期経営計画の重点領域にも位置付けられており、経営からの期待も高い。もちろんプレッシャーもありますが、毎日が新たな学びと発見の連続です。株主という立場から事業会社の成長戦略を描くだけでなく、具体的にどう実行するかを考えることは非常に勉強になりますし、成長が見込まれる業界でこの年次から貴重な経験ができるのは、総合商社ならではの恵まれた環境だと感じています。今はとにかく吸収し、成長することに全力を尽くしたいと思っています。
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Q2.プロジェクトの課題
コロナで甚大な影響を受けた後、航空業界は完全に復活し、成長フェーズに入っています。そういった背景のなか、新規事業の創成や新たな利益の確保を目指し多くの会社が航空業界に投資し、競争が激化しているというのが個人的な所感です。
アイ・ストリングス社は丸紅の100%子会社として2018年に設立した会社ですが、順調に業績を伸ばしており、人員体制・事業規模を更に拡大していかなければならないのが課題です。人材の獲得だけでなく、働く方のキャリア形成にも丁寧に向き合わなければいけない。多くの課題を一つひとつ解決していかれている経営者の苦労を理解しつつ、私は株主の立場から、会社をどう健全に成長させていくかを考えなければなりません。事業会社側とは違う観点で物事を見ていく、この視点の違いを日々学んでいる最中です。 -
Q3.丸紅ならではのソリューション
先人の先輩方、駐在員がそれぞれの地域・時代で築いてきた情報網やネットワークが、丸紅ならではのソリューションだと感じます。駐在員には、現地の取引先や関係者との対話を通じて、業界や地域のリアルな情報を的確に察知する力があると感じています。
また、事業支援や経営の実行力については、今後更に強化していく方針ということもあり、社内の協力も仰ぎやすい環境が整いつつあります。当社では「戦略型プラットフォームビジネス」を重点戦略に掲げていて、アフターマーケット・アセットトレード事業もその一つです。各部門のトップが進捗や展望を全社に共有する場も設けられていて、グループ全体でシナジーを生み出そうとする動きが加速していることを感じています。 -
Q4.丸紅で働く魅力
2025年で入社8年目を迎えました。これまで7年間、航空業界に携わってきましたが、あらためてグローバルでダイナミックな世界だと感じています。入社時、どんな仕事をするか想像もつきませんでしたが、今はこうして事業会社の経営にまで深く関わったり、数億~十億円規模の予算が動くスケールの大きなプロジェクトを担当させてもらえたりと、総合商社ならではの醍醐味を感じています。
就職活動中、総合商社のビジネスモデルは「トレーディング」と「事業投資」の大きく2つに分けられるという説明を何度か受けてきました。今後は出資した後に経営へ参画していく「事業投資」の比重がさらに高まっていくのではないかと感じています。丸紅には、若手のうちからその力を伸ばせる環境が整っていますし、自分自身もこの環境でより成長していきたいと思っています。

エアロスペース・モビリティ部門 航空宇宙部
2024年キャリア入社 経済学部卒
高安 望
「“裁量の大きさ”を次世代へ。次なる土台をつくる」
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Q1.担当業務・仕事のやりがいや面白さ
私は2024年の4月にキャリア入社しました。現在は、主に出資先であるMagellan社の経営支援と新規案件の検討を担当しています。
Magellan社は丸紅が2012年から出資している会社で、2016年に100%子会社化しています。中古機体を解体し、部品を販売するパーツアウト事業が主事業です。私の担当は、Magellan社の経営戦略の立案とその戦略を実現するための制度設計です。裁量も大きく簡単ではありませんが、とても勉強になるいい機会だと感じています。
新規案件については、入社時から担当したいと思い手を挙げていました。有望な企業を発掘し、出資を検討していくという、思い描いていた通りの業務を担当しています。出資先の発掘のために海外で行われるカンファレンスなどにも足を運ぶのですが、業界の最先端の状況を学ぶこともできるのでとても楽しく、やりがいも大きいです。 -
Q2.プロジェクトの課題
Magellan社の経営は順調で、昨年度も最高益を更新しました。右肩上がりで成長しているのですが、今後これが鈍化する可能性もあります。事業の段階にあわせて経営も変えていく必要があるので、戦略や制度を刷新する準備を進めています。中長期的にMagellan社がどんなビジョンをもってどの程度の目標を目指すべきなのかというところから経営層と協議を重ねて、具体策に落とし込んでいくというのが目下の課題です。
新規案件の検討については、事業部全体の目標であるプラットフォームの構築に最適なパートナーを発掘するというのが大きなミッションです。発掘後には、継続的な対話を通じて信頼関係を築いていくことが不可欠です。魅力的な企業には多くの企業から声がかかります。丸紅と組む魅力やメリットを感じてもらえるかどうかが鍵になるので、その伝え方についても今後磨き上げていかなければいけないと感じています。 -
Q3.丸紅ならではのソリューション
Magellan社の経営支援においては、丸紅の他の事業投資の事例も参考にしています。他の事業部が出資している先では、ガバナンスの強化を含めてどういった解決策を実践し、それらがどう成功したのか、あるいは課題が残ったのかといった社内事例があるのは本当に助かります。これは丸紅ならではのソリューションだと感じます。
それから、経営支援と新規開拓どちらにも共通することとして、成長資金を供給できることもソリューションの一つだと言えると思っています。これはこれまで蓄積してきた知見や企業体力があるからこその強みです。
また、新規の出資先候補からよく相談されることとして「グループ内のシナジーがあるのか」という点があります。総合商社は事業範囲が広いので、出資先からはそのスケール感や可能性の大きさに魅力を感じてもらえることが多いです。これも、複合型のビジネスを展開する総合商社だからこそ提供できる価値だと思います。 -
Q4.丸紅で働く魅力
私は前職も商社だったのですが、転職してみて一番感じているのは、裁量の大きさです。手を挙げれば希望を聞いてもらえますし、たとえ失敗しても、そこから学ぶことを大切にする社風があると感じています。若手と中堅も遠慮なく意見を出しあえる、風通しの良さも魅力ですね。
こうした環境があるのは、先輩方がしっかりとした事業の土台を築いてこられたからこそ。事業基盤があるから、部下を信頼して任せるという文化が根づいているのだと思います。
将来的には、自分自身も事業部や部門の土台となるような新たな事業を創出したいと思っています。そして、未来の丸紅で働く方々にも、私が今実感しているような「挑戦できる環境」や「信頼されて任される喜び」を感じてもらいたい。そんな思いで、日々の業務にあたっています。